遺言
5 項目
遺言とは|このカテゴリで分かること
遺言は、自分の財産を誰にどう残すかを、亡くなったあとに実現するための意思表示です。このカテゴリでは、遺言書の書き方を、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いから始め、法務局の保管制度、家庭裁判所の検認、遺留分、遺言執行者までの流れで整理します。
対象は、遺言を書こうと考えている人と、親の遺言書を見つけた・預かっている家族です。書く側は「どの方式を選び、どこに保管するか」、受け取る側は「開封してよいか、何をすればよいか」が分かることを目標にしています。令和8年6月には、遺言の方式を見直す民法改正が公布されており、施行時期の見通しもあわせて説明します。
はじめにおすすめの3本
迷ったら、まずこの3本から読んでください。残りの記事は、このページ下の項目一覧から、気になるテーマで選べます。
- 自筆証書遺言の書き方|要件・法務局保管制度・検認
最も手軽な方式です。要件を一つ欠くと無効になりうる点から押さえます。 - 公正証書遺言とは|作成の流れ・必要書類・手数料の考え方
公証人が関与する方式です。費用と手間を自筆証書と比べます。 - 遺言書の検認とは|手続きの流れ・費用・開封してはいけない理由
遺言書を見つけた家族が最初に確認する手続きです。
関連して、公正証書の仕組みは 公正証書とは|効力・執行証書・作れる契約と手数料の考え方、遺言がない場合の分け方は 遺産分割協議書の書き方|記載事項・注意点・調停との関係、相続全体の流れは 相続手続きの流れ|死亡後のスケジュールと期限の一覧 で確認できます。
押さえておきたいポイント(リサーチ)
| 項目 | 確認できた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言の保管 | 法務局(遺言書保管所)への保管申請は1件3,900円。保管された遺言書は家庭裁判所の検認が不要。ただし有効性を保証するものではない | 法務省 |
| 検認 | 保管者や発見した相続人は、遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求する。公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は不要。費用は遺言書1通につき収入印紙800円分など | 裁判所 |
| 公正証書の手数料 | 令和7年10月1日から改定。目的の価額が1億円以下の遺言には1万3,000円の遺言加算がある | 日本公証人連合会 |
| 遺留分侵害額の請求 | 相続の開始と侵害する贈与・遺贈を知った時から1年、または相続開始から10年で行使できなくなる | 民法1048条 |
| 令和8年の民法改正 | 令和8年6月24日公布。押印の任意化のほか、パソコン等で作成した遺言のデータや印刷物を法務局に提供し、本人が対面またはウェブ会議で全文を口述するなどして法務局が保管する「保管証書遺言」を創設 | 法務省 |
| 改正の施行日 | 押印の任意化等は公布から1年以内、保管証書遺言の創設等は3年以内の、政令で定める日(本ページ作成時点で、法務省のページに施行日の記載は確認できませんでした) | 法務省 |
改正法が施行されるまでは、現行の方式(自筆証書遺言は全文・日付・氏名の自書と押印、財産目録は自書でなくてもよい)に従う必要があります。施行日が決まると要件が変わるため、最新は公式で確認してください。
よくある疑問
Q. 自筆証書遺言と公正証書遺言は、どちらがよいですか。
A. 費用を抑えたいなら自筆証書、形式の不備や紛失のリスクを減らしたいなら公正証書、という比べ方が一般的です。自筆証書でも法務局の保管制度を使えば紛失や改ざんの心配は減ります。自筆証書遺言の書き方|要件・法務局保管制度・検認 と 公正証書遺言とは|作成の流れ・必要書類・手数料の考え方 を読み比べてください。
Q. 親の遺言書を見つけました。開けてもよいですか。
A. 封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いのもと開封することとされています。まず 遺言書の検認とは|手続きの流れ・費用・開封してはいけない理由 で手順を確認してください。
Q. 「全財産を長男に」という遺言は有効ですか。
A. 方式を満たしていれば遺言自体は有効になりえますが、他の相続人が遺留分を請求できる場合があります。割合と期限は 遺留分とは|割合・計算の考え方・侵害額請求の期限 にまとめています。
Q. スマートフォンやパソコンで遺言は作れますか。
A. 令和8年6月公布の改正で、電子データ等で作成して法務局に保管する方式が設けられましたが、施行は公布から3年以内の政令で定める日とされています。施行前は現行の方式で作成してください。
編集部の見解
遺言は「書いたこと」よりも「確実に見つかり、要件を満たしていること」が大切だと考えます。自筆証書遺言は手軽な反面、日付の書き方や訂正の方法など、形式の誤りで効力が争われる余地が残ります。財産の種類が多い、相続人の関係が複雑、事業や不動産があるといった場合は、公正証書や専門家の確認を検討する価値があると考えます。
また、遺留分を考えずに極端な内容にすると、かえって家族の争いの種になることがあります。誰に何を残したいのかと同じくらい、「なぜそう分けるのか」を付言として残すことが、受け取る側の納得につながると考えます。デジタルの遺言は施行日がまだ先のため、今すぐ書く必要がある人は現行の方式で準備するのが現実的だと考えます。本ページは一般的な情報であり、個別の遺言の有効性を判断するものではありません。具体的な内容は弁護士・司法書士・公証役場などに相談してください。
出典(一次情報)
遺言の項目一覧
自筆証書遺言の書き方|要件・法務局保管制度・検認自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自分で書いて押印する遺言です。財産目録の例外、法務局の保管制度(手数料3,900円)、検認が必要な場合と不…
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