遺言

遺言執行者とは役割・権限・選任の方法・指定しておく利点

遺言執行者とは|役割・権限・選任の方法・指定しておく利点

遺言執行者は、遺言の内容を実現する手続きを進める人です。権限の範囲、就任時に相続人へ遺言内容を通知する義務、家庭裁判所による選任、指定しておくと手続きが進めやすい場面を、法務省・裁判所の案内で整理します。

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遺言執行者とは

遺言書があっても、その内容は、書いてあるだけでは実現しません。不動産の名義を変える、預貯金を解約して分ける、遺贈を実行するなど、具体的な手続きを進める人が必要です。この役割を担うのが「遺言執行者」です。

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために、相続財産の管理や、その他の遺言の執行に必要な一切の行為をする権利と義務を持つ人です。法務省の案内でも、相続法の改正で、遺言執行者の権限が明確化されたと説明されています。

遺言執行者は、遺言で指定することも、家庭裁判所に選任してもらうこともできます。遺言執行者がいると、相続人の協力を得にくい場面でも、手続きを進めやすくなります。特に、遺言で子の認知や、相続人の廃除をする場合は、遺言執行者が必要になります。

この記事は一般的な説明です。遺言執行者の選び方や、報酬の取り決めは、事案によって異なります。弁護士、司法書士、信託銀行などの専門家にも相談してください。

遺言執行者の基本

項目 内容
役割 遺言の内容を実現するための手続きを、進める
権限 相続財産の管理その他、遺言の執行に必要な一切の行為をする
就任時の義務 任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知する(民法第1007条第2項)
相続人の行為 遺言執行者がいる場合、相続人は、遺言の執行を妨げる処分ができない(原則として無効)
選任の方法 遺言で指定する、または、家庭裁判所に選任を申し立てる

家庭裁判所による選任

裁判所の案内によると、遺言によって遺言執行者が指定されていないとき、または、遺言執行者が亡くなったときは、家庭裁判所が、申立てにより、遺言執行者を選任できます。申立てができるのは、相続人、遺言者の債権者、遺贈を受けた人などの利害関係人です。

遺言執行者に選べる人

未成年者と破産者以外であれば、誰でもなれるとされています。相続人の1人を指定することも、弁護士や司法書士などの専門家、信託銀行を指定することもできます。ただし、相続人が執行者になると、他の相続人との利害が対立し、トラブルになる可能性があります。

遺言執行者の職務の性質

法務省の案内では、遺言執行者の職務は、遺言の内容を実現することであり、必ずしも相続人の利益のために職務を行うものではないことが、明確化されたと説明されています。つまり、遺言の内容に沿って、中立の立場で手続きを進める役割です。

遺言執行者の具体例

次の例は、説明用の仮のものです。

ケース 考え方
遺言で、長男に不動産を、次男に預貯金を残す内容 遺言執行者がいれば、執行者が、不動産の名義変更や、預貯金の解約を進められる
遺言で、相続人以外の人に財産を遺贈する 相続人の協力が得にくいため、遺言執行者を指定しておくと、手続きがスムーズ
遺言で、子の認知をする 遺言執行者が必要。いない場合は、家庭裁判所に選任を申し立てる
遺言に、遺言執行者の指定がない 利害関係人が、家庭裁判所に選任を申し立てられる

遺言執行者の実践ステップ

  1. 遺言を作るときに、遺言執行者を指定するか検討する。
  2. 候補者(専門家、信頼できる親族など)に、事前に依頼の意向を確認する。
  3. 遺言書に、遺言執行者の氏名・住所などを、特定できる形で記載する。
  4. 執行者の報酬の取り決めを、遺言に書くか、別に定めておく。
  5. 相続開始後、遺言執行者は、就任を承諾し、相続人に、遺言の内容を通知する。
  6. 財産目録を作成し、遺言の内容に沿って、手続きを進める。

遺言執行者の注意点

遺言執行者でよくあるミス

遺言執行者のチェックリスト

遺言執行者のFAQ(よくある質問)

筆者の見解(遺言執行者)

遺言執行者は、「遺言を書いて終わり」にしないための、重要な仕組みだと考えます。私見では、特に、相続人の間で争いが予想される場合や、財産に不動産・有価証券が含まれる場合は、中立の立場の専門家を指定しておく価値があると思います。遺言を書くときに、遺言の内容と合わせて、執行者を誰にするかも、あらかじめ考えておくことをおすすめします。

遺言執行者の関連項目

出典(一次情報)

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法律相談・税務相談・社会保険労務の助言ではありません。法律や制度は改正されることがあるため、最新の内容は各省庁・裁判所などの公式サイトや、専門家(弁護士・司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士など)でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。