相続登記を自分でやる方法必要書類・費用・流れ

相続登記は、相続人が自分で申請することもできます。必要書類、登録免許税の計算(原則0.4%)、法定相続情報証明制度の使い方、司法書士に相談する目安を、法務局の案内を踏まえて整理します。
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相続登記を自分でやる方法とは
相続登記は、不動産の名義を、亡くなった人から相続した人へ変える手続きです。司法書士に依頼する人が多い手続きですが、書類を自分でそろえ、法務局に申請することも認められています。
令和6年(2024年)4月から相続登記が義務化され、不動産を相続したと知った日から3年以内の申請が必要になりました(詳しくは別記事の義務化の解説を参照)。そのため、「費用を抑えたい」「自分でやってみたい」と考える人が増えています。
自分で行う場合に大きな費用になるのは、国に納める登録免許税と、戸籍などの取得手数料です。専門家の報酬が省ける一方で、書類の不備による補正や、時間の負担は自分で負うことになります。
この記事は一般的な流れの説明です。不動産の所在地や相続人の状況で必要書類が変わるため、申請前に管轄の法務局の相談窓口(予約制の場合がある)で確認してください。
相続登記を自分でやる方法の基本
一般的な相続登記の流れは、次のとおりです。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 登記簿(登記事項証明書)で、対象の不動産と名義人を確認する |
| 2 | 被相続人の出生から死亡までの戸籍と、相続人全員の戸籍を集める |
| 3 | 遺言がなければ、遺産分割協議書を作る(遺言があれば遺言書) |
| 4 | 登録免許税を計算し、登記申請書を作る |
| 5 | 管轄の法務局へ申請する(窓口、郵送、オンライン) |
| 6 | 補正があれば対応し、完了後に登記識別情報などを受け取る |
必要書類は、遺産分割協議で決める場合の一般例として、次のようなものがあります。
- 被相続人の戸籍(出生から死亡まで)と、住民票の除票または戸籍の附票
- 相続人全員の戸籍謄本、住民票(取得する人のもの)
- 遺産分割協議書と、相続人全員の印鑑証明書
- 不動産の固定資産評価証明書(登録免許税の計算に使う)
- 登記申請書
法定相続情報証明制度
戸籍の束を何度も提出する手間を減らす制度として、法定相続情報証明制度があります。法務局の案内では、相続関係を一覧にした図(法定相続情報一覧図)と戸籍を提出し、登記官が確認した認証文付きの写しを無料で受け取れます。写しは、相続登記のほか、預貯金の払戻し、相続税の申告、年金などの手続きに使えるとされています。申出先は、被相続人の本籍地、最後の住所地、申出人の住所地、不動産の所在地を管轄する登記所のいずれかを選べます。保管期間は申出の翌年から5年間で、その間は再交付が受けられます。
登録免許税
相続による所有権移転の登記では、原則として、固定資産税評価額に0.4%(1,000分の4)を掛けた額が登録免許税になります。一定の要件を満たす土地について免税になる措置があり、法務局の案内では、令和9年(2027年)3月31日までの措置として案内されているものがあります。免税を受けるには、申請書に根拠の条文などを記載する必要があります。期限や条件は変わることがあるため、最新の案内を確認してください。
相続登記を自分でやる方法の具体例
登録免許税の計算例を示します(評価額は説明用の仮のものです)。
| 不動産 | 評価額 | 計算 | 登録免許税 |
|---|---|---|---|
| 自宅の土地 | 1,500万円 | 1,500万円×0.4% | 6万円 |
| 自宅の建物 | 500万円 | 500万円×0.4% | 2万円 |
| 合計 | 2,000万円 | 2,000万円×0.4% | 8万円 |
登録免許税の課税標準は、1,000円未満を切り捨て、税額は100円未満を切り捨てる、という計算のルールがあります。計算を間違うと補正が必要になるため、法務局の計算例を見ながら進めてください。
相続登記を自分でやる方法の実践ステップ
- 法務局のウェブサイトで、相続登記の申請書の様式と記載例を確認する。
- 相続人調査をし、戸籍をそろえる。必要なら法定相続情報一覧図を作る。
- 遺産分割協議書を作り、相続人全員が署名・押印する。
- 固定資産評価証明書(または納税通知書)を取り寄せ、税額を計算する。
- 収入印紙を購入し、申請書に貼る。
- 窓口か郵送か、オンラインで申請する。事前に法務局へ相談すると安心。
相続登記を自分でやる方法の注意点
- 相続人が多い、連絡が取れない人がいる、といった場合は、書類の収集が大変になる。
- 不動産が複数の自治体にまたがる場合、評価証明書を各自治体で取る必要がある。
- 遺産分割協議書の内容に不備があると、受付されないことがある。
- 登記が済んでも、相続税の申告や、他の財産の手続きは別に必要になる。
相続登記を自分でやる方法でよくあるミス
- 戸籍が途中で途切れている(出生から死亡までつながっていない)。
- 遺産分割協議書に、不動産を特定する情報(地番・家屋番号)が不足している。
- 登録免許税の計算で、評価額の端数処理を間違える。
- 相続人の一部の印鑑証明書が足りない。
相続登記を自分でやる方法のチェックリスト
- 登記事項証明書で名義と所在を確認した
- 戸籍が出生から死亡まで切れ目なくそろっている
- 相続人全員の同意(協議書または遺言)がある
- 評価証明書を取得し、税額を計算した
- 収入印紙を用意した
- 法務局の相談窓口で書類を事前確認した
相続登記を自分でやる方法のFAQ(よくある質問)
Q. 自分でやると、いくらかかりますか?
A. 登録免許税(原則、評価額の0.4%)と、戸籍・証明書の取得手数料、郵送料などが目安です。実際の金額は不動産によって大きく異なります。
Q. 司法書士に頼むのはどんなときですか?
A. 相続人が多い、遺産分割で争いがある、書類の収集が困難、時間が取れない、といった場合は、相談する目安になります。
Q. オンラインで申請できますか?
A. オンライン申請の仕組みがありますが、準備や操作の難易度があります。法務局のウェブサイトで確認してください。
筆者の見解(相続登記を自分でやる方法)
相続登記を自分で行うことは、「関係が単純で、時間を割ける人」には現実的な選択だと考えます。私見では、費用の差だけで決めるより、戸籍集めと遺産分割協議のどちらに手間がかかりそうかを先に見積もるのがよいと思います。協議がまとまらない状態では、書類をそろえても申請に進めません。その場合は、まず期限対策としての申告登記など別の手段を検討し、複雑なら専門家に相談する、という段階的な進め方をおすすめします。
相続登記を自分でやる方法の関連項目
出典(一次情報)
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法律相談・税務相談・社会保険労務の助言ではありません。法律や制度は改正されることがあるため、最新の内容は各省庁・裁判所などの公式サイトや、専門家(弁護士・司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士など)でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。