借用書の書き方記載事項・利息の上限・印紙税の考え方

個人間でお金を貸すときに作る借用書(金銭消費貸借契約書)の記載事項、利息制限法の上限金利(20%・18%・15%)、法定利率、印紙税の扱い、返済が滞ったときの備えを、金融庁・法務省・国税庁の案内で整理します。
公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて
借用書の書き方とは
家族や友人にお金を貸すとき、書面を残さずに口約束で済ませると、返済をめぐってトラブルになりやすくなります。そこで作る書面が、借用書(金銭消費貸借契約書)です。
借用書は、「いつ、誰が、誰に、いくらを貸したか」と、「返済の条件」を記録するものです。法律上、借用書がなくても、貸し借りの契約自体は成立する場合があります。しかし、争いになったとき、貸したことを証明する材料として、書面があると有利になります。
注意したいのは、利息を取る場合です。利息制限法には上限が定められており、上限を超える部分は無効になります。また、個人間の貸し借りでも、貸す側が反復継続して貸す場合は、貸金業の登録が必要になる可能性があります。
この記事は一般的な説明です。金額が大きい場合や、争いが予想される場合は、弁護士や司法書士に相談してください。
借用書の書き方の基本
借用書に書いておきたい基本の項目は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 貸主・借主 | 氏名(または名称)と住所を書く |
| 貸した日と金額 | 契約の日付と、貸した金額(漢数字や、算用数字で、改ざんしにくく書く) |
| 返済の期限と方法 | 一括か分割か、期日、振込先など |
| 利息 | 付けるかどうか、利率、計算方法 |
| 遅延損害金 | 期限までに返済しなかった場合の取り決め |
| 期限の利益の喪失 | 分割払いを怠った場合に、残額を一括で請求できる旨 |
| 署名・押印 | 借主が自署し、押印する(できれば実印と印鑑証明書) |
利息の上限
金融庁の案内では、利息制限法の上限金利は、元本の額によって決まっています。
| 元本の額 | 上限金利(年) |
|---|---|
| 10万円未満 | 20% |
| 10万円以上100万円未満 | 18% |
| 100万円以上 | 15% |
上限を超える部分は、民事上、無効になります。利息を付けない貸し借り(無利息)も、もちろん可能です。
法定利率
利率を定めなかった場合の、利息の利率(法定利率)は、令和2年(2020年)4月1日の民法改正で、年3%になりました。この利率は、3年ごとに見直される仕組みです(変動制)。法務省の告示では、令和8年4月1日から令和11年3月31日までの期間も年3%とされています。最新の利率は、法務省の案内で確認してください。なお、貸し借りの契約で、利息を付ける旨の合意がなければ、原則として利息は発生しません。
印紙税
金銭を貸す契約書(金銭消費貸借契約書)は、印紙税の課税文書(第1号の3文書)に当たります。契約金額に応じて、収入印紙を貼る必要があります。印紙税は、国税庁の一覧表で確認してください。ただし、電子データで契約を交わす場合は、課税文書に当たらないと整理されています。
借用書の書き方の具体例
次の例は、説明用の仮のものです。
| ケース | 考え方 |
|---|---|
| 友人に50万円を、1年後に一括で返してもらう約束で貸した。無利息 | 借用書に、金額、期限、返済方法を書く。無利息なら、その旨を明記する |
| 親族に200万円を貸し、年2%の利息を付ける | 100万円以上の上限は年15%なので、2%は上限内 |
| 5万円を、年25%の利息で貸した | 10万円未満の上限は年20%。超過分は無効 |
| 100万円を、毎月5万円ずつ返済してもらう | 分割払いの条件と、期限の利益の喪失の条項を書いておく |
利息の計算例です。100万円を、年3%の利息で1年間貸す場合、利息は100万円×3%=3万円です。
借用書の書き方の実践ステップ
- 貸すかどうかを、返済の見込みも含めて、慎重に判断する。
- 金額、期限、返済方法、利息の有無を、書面で整理する。
- 借用書を作成し、借主に自署・押印してもらう。
- 契約書が課税文書に当たる場合は、収入印紙を貼り、消印をする。
- 貸した金銭は、振込で渡すなど、証拠が残る形にする。
- 借用書は、貸主が原本を保管する。借主にも、写しなどを渡す。
借用書の書き方の注意点
- 借用書があっても、借主が返済しない場合、裁判などの手続きが必要になることがある。
- 時効に注意する。返済期限から、一般に5年(債権者が権利を行使できると知った時から)で、時効にかかる場合がある。
- 相続が絡む場合は、貸した相手が亡くなったときの扱いも考える。
- 反復継続して貸す場合は、貸金業法の規制を受ける可能性がある。
借用書の書き方でよくあるミス
- 口約束だけで貸してしまう。
- 金額を、現金手渡しにして、証拠が残らない。
- 期限や返済方法を決めずに、「ある時払い」にする。
- 利息の上限を知らずに、高い利率を書いてしまう。
借用書の書き方のチェックリスト
- 貸主・借主の氏名と住所を書いた
- 金額、貸した日、返済の期限・方法を書いた
- 利息の有無と利率を確認した(上限内か)
- 署名・押印をもらった
- 収入印紙が必要か確認した
- 金銭の授受の証拠(振込記録など)を残した
借用書の書き方のFAQ(よくある質問)
Q. 個人間でも、利息は取れますか?
A. 取れますが、利息制限法の上限があります。上限を超える部分は無効です。
Q. 借用書は、手書きでもよいですか?
A. 手書きでも、パソコン作成でも構いません。内容と、借主の署名・押印が大切です。
Q. 返済が止まったら、どうしますか?
A. 内容証明郵便での請求や、裁判所の手続きを検討します。時効にも注意が必要です。
筆者の見解(借用書の書き方)
個人間の貸し借りは、書面の立派さよりも、「返済の見込み」と「証拠の残し方」が、実際のトラブルを分けると考えます。私見では、貸す前に、返してもらえなくても関係が壊れない金額かを自問し、借用書と振込記録をセットで残すことが、最低限の備えになります。金額が大きい場合は、公正証書にする方法もあるため、専門家に相談してください。
借用書の書き方の関連項目
出典(一次情報)
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法律相談・税務相談・社会保険労務の助言ではありません。法律や制度は改正されることがあるため、最新の内容は各省庁・裁判所などの公式サイトや、専門家(弁護士・司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士など)でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。